Tactics/Key諸作品におけるファンタジー世界観〜時系列の共鳴・共振ないし円環構造,もしくは共時性〜(目次)

  本論は,『ONE〜輝く季節へ〜』『Kanon』『AIR』『CLANNAD』『リトルバスターズ!』各作品におけるファンタジー世界観について,(1)シナリオ相互の時系列に関する現象,あるいは(2)登場人物たちの想念による共時(シンクロ)に関する現象に着目し,その概観を試みることによって,Tactics/Key諸作品のシナリオ読解の一助とすることを目的とする。
  基本的に,拙稿は,過去のweb上の先行文献を踏まえつつ,Tactics/Keyゲーム評論集『永遠の現在』(2007年8月,theoria,C72)に収録されている諸論考で示された知見を受けて,書き下ろされたものである。